追憶のうんたらかんたら

この「水色」というブログは、まず何か聴きたい音楽があって、それを聴きながらボンヤリ考えたことを文章にするというきまぐれコンセプトで始まっております。だからいつも何か曲を紹介しているんですが、私はこの10年ほど全く新しい音楽を開拓しておらず、昔好きだったものをほじくり返しては浸っているという次第でございます。だって歳を取ると過去ばかりが増えていくわけでしょう。未来よりも過去の方が多いんですもの。私の人生などもう半分くらい過去と化している。
過去って不変のような気がしますけど、記録と記憶は似て非なるものでして、記憶の中の過去は常に新しいものに作り変えられているのです。例えば私のファーストキッスのシチュエーションは、高校1年の時、飲み会で同じクラスの女子から無理矢理奪われたような気がしていましたが、最近唱えられている有力な記憶では、幼馴染で普段はふざけあっていた俺たちだったけど、同じ高校に入ってから妙にお互いを意識するようになってたんだ。でも意識すればするほどお互いの距離が離れていく気がして、なんだかもどかしい気持ちを抱えたまま俺はやがて自暴自棄になり、地元の暴走族グループと一緒に酒、喧嘩、猥褻物陳列に明け暮れるようになっていった。そんなある日、いつものように近所のサルビアを根こそぎ吸っているところにアイツと偶然出くわし、何となく昔話に花が咲いて…ふとアイツを見るといつの間にか女の憂いを感じさせるようになってきたその唇から目が離せなくて、お互い言葉も出尽くして気まずい沈黙が辺りを包み、蝉の声だけが脳裏を駆け巡って、アイツの瞳が潤んいるのが分かったその刹那…
ハッ!夢か!ワイのファーストキッスの相手は、新宿の性感ヘルス「新宿女学園」の風俗嬢、ユウカちゃんじゃったわいー!
というような記憶になってきています。ていうかあんまり人生の記憶がありません。やはりこの世界はマトリックスだったのでしょうか。
今日のBGMはスタイリスティックスの「愛がすべて」です。内容とは無関係ですが、悩んだらこの曲のサビを高らかに歌い上げれば大概サッパリしますよ。