ダバダバダバ

毎日ムシャクシャしてどうにもならないそんな時は、真夜中の高速道路をポール・モーリアをガンガンにかけて疾走したくなりませんか?
という問いかけにあなたはきっとすかしっ屁で返すでしょう。それくらい今、イージーリスニングミュージックが流行っていません。
イージーリスニングが流行ったのはいつ頃なのか今一つ分かりませんが、おそらく60〜70年代くらいでしょうか。アーティストとしてはポール・モーリアやレイモン・ルフェーブルなどが有名ですね。曲自体もテレビ番組でジングル的に使われたり、スーパーで買い物をしている時にBGMでかかってたりすることが多いので、老若男女耳にしたことがあるいわゆる『ベタ』な感じのムードミュージックということになるのですが…いざちゃんと聴いてみるとどんな生活シーンにもマッチしない曲ばかりなのに気づきます。
有名な『シバの女王』を聴いてみましょう。

悲しいとき、嬉しいとき、自分へのご褒美に、冠婚葬祭、入学式、卒業式、結婚式、落語家の出囃子、プロレスの入場テーマ、ドリフ大爆笑のオープニング…想像してみると、どんなシーンにもマッチしない気がします。何というか曲自体が過剰にドラマチックで演出過多になってしまい、つまりはどんな状況もたちどころにダサくなってしまうという。イージーリスニングを乗りこなせる人類は故・城達也氏以外には存在しないと確信しています。
私はこの現象を利用して、鬱屈した気分をうやむやにしてしまうことにしています。何かに悩んでいる時、自己嫌悪に陥っている時、『恋はみずいろ』『オリーブの首飾り』などをガンガンにかけていると、何だか全てがどうでもよくなってくるのです。あとは酒をガンガン飲めば、最終的に酒の力でなんとかなるでしょう。
そして最後に『二人の天使』に合わせてノリノリで前衛舞踏すれば、この世のストレスの8割は解消できるんじゃないかと思います。私はやったことないですけど。